不動産投資を続けるにあたって、避けて通れないのが融資ですね。では、金融機関はどの様なポイントでアパートローンを審査をしているかをご披露します。
【ポイント1】属性
金融機関によって、会社員に貸すか、貸さないかが、ハッキリ分かれます。例えば、三菱UFJ銀行はサラリーマン投資家には貸しません。地主さんや会社オーナーが融資の対象で、サラリーマンでも借りれる方は地主属性の方です。外資系金融機関勤務などの高収入の方も今では難しくなっています。一方、静岡銀行東京営業部はサラリーマンが対象で、自営業者には貸しません。なので、申込や相談時にはまず、これを確認する必要があります。
次に、現在の職業や職歴をみます。転職を繰り返す方は、かなり難しいです。尚、ヘッドハンティングにあったなど、同業等でステップアップされている方は問題ありません。経歴等でこれまで真面目に仕事をしてきたかをみています。
自営業の方は収入次第です。赤字の場合はほぼ無理でしょう。
全ての方に言えますが、個人信用情報も見ます。いわゆる「ブラックリスト」に載っている方は、この時点で「お断り」です。銀行員から「総合的判断でお断り」と言われたら、これに該当している場合が多いです。当然、反社会勢力に属する方、元反社の方、反社と連れだっている方も無理です。
尚、物件購入の場合、仲介業者や売主・顧問税理士が原因で「お断り」となる場合もあります。特に多いのが、過去に二重売契などをやらかし、「不正業者」のレッテルを貼られた業者が仲介している案件です。
【ポイント2】資産負債バランス
保有資産と負債のバランスを見ます。「保有資産に対して、負債の比率がどれだけあるか?」を見られます。新規購入時の審査なら、購入後の想定で審査します。また、法人をお持ちの方は個人名義と法人を合算で見られます。
まず、①債務超過の場合(資産<負債)は貸してくれません。 ②負債比率(負債÷資産)が70%~100%の場合(例えば資産10億円なら、負債が7~10億円)、借入の可能性はありますが、条件が厳しくなりがちです。金利が高かったり、共同担保を要求されたりします。 ③負債比率40%~70%の場合(例えば資産10億円なら、負債が4~7億円)、標準的な条件で借入が期待できます。 ④負債比率40%未満の場合、優遇された条件で借入出来たり、銀行から「是非、借りてほしい」と言われる可能性大です。
尚、資産はどの様に計算するかと言えば、積算法の銀行もあれば、収益還元法の銀行もあり、金融機関によってマチマチです。決して、購入価格ではありませんので、ご注意ください。
【ポイント3】収支
①まず、物件単体の収支を見られます。所得税や将来の修繕費も考慮して、キャッシュフローが黒字なのが、大前提です。近年、金融庁から単体収支赤字の案件については厳しく言われているので、例え、相続対策でも単体収支赤字の案件は難しくなっています。尚、金利4%でも黒字の計画が理想です。
②総合収支が黒字。自身の全ての収支を検証されます。当然、法人を保有していれば、それも合算して見ています。 個人の生活費も考慮する必要があります。世帯主×300万円+扶養人数×100万円程度 (例:給与収入+不動産所得+減価償却費+支払利息 > 税金+元利金返済額+生活費)
これが黒字であることが大前提で、金利が4%になっても黒字であることが理想です。
【ポイント4】担保
まず、容積オーバーなどの違法建築物や、再建築不可の物件は担保不適格として殆どの銀行はNGです。三井住友T&Fに相談しましょう!
法定耐用年数オーバーの物件は銀行によりマチマチです。木造なら、劣化等級にもよりますが、築30年以内に借入期間が収まるなら問題ない銀行も多いですが、RC造は築47年を超える借入期間を認めてくれるところは少なくなります。基本的にはメガバンクと大手地銀は法定耐用年数オーバーには厳しいです。築古物件の場合には小さい地銀や信金に相談するか、大手地銀の特定商品を狙った方がいいです。
そして、担保評価も銀行によってマチマチです。
大きく分けて、積算法と収益還元法に分かれます。傾向として、積算法の場合は地方や郊外の方が担保評価が良く、収益還元法は都心の方が担保評価が良いです。
【ポイント5】採算
銀行も営利企業です。この貸出をすれば、いくら儲けになるのかを算出しています。要は、どれだけ優良な取引先でも、儲からない貸出はしません。特に最近は顕著です。
なので、借入だけでなく、預金や投資信託・保険・系列不動産会社での不動産仲介・系列信託銀行での遺言信託などがあれば、有利な条件を引き出せます。
尚、業況が悪い方や収支が赤字、担保が足りない、などの場合はそれだけ銀行は貸倒引当金を積み増ししなくてはなりません。よって、その分採算が悪くなるのです。それが原因で採算が取れずに、お断りするケースもあります。
かなり、ザックリとご披露しましたが、お役に立てれば幸いです。今後は、各項目について詳細にお伝えしたり、各金融機関の特徴などをお伝えできればと思っております。ご期待ください。
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