2024年7月日銀が政策金利を0.25%に引上げ、銀行も久しぶりに短期プライムレートを引上げることになりました。借入をしている人やこれから借入を予定している人は悩ましい選択をする場面が多くなるのではないでしょうか。「変動金利を選べば良いのか、固定金利を選ぶべきか?」の相談を受けることが多くなりました。
結論:基本的には金利の低い方がお得になる確率が高い!
あくまで、金利上昇局面の話にはなりますが、固定金利は今後の金利上昇を見越して、既に金利が高くなっています。それを変動金利が後追いすることになります。よって、変動金利の方が低い状態となっているはずです。
2024年10月の三菱UFJ銀行の住宅ローン金利を例にします。
借入金額5,000万円、期間35年の条件では
変動金利 0.345%(最優遇の場合) 月額返済額126,396円。
固定金利(3年)0.89% 月額返済額138,594円(変動金利より12,198円多い)
よって、現状の金利が3年間続けば、変動金利の方が12,198円×36ヶ月=439,128円も多く支払うこととなります。
しかも3年後の残高にも違いが出ます!
変動金利0.345%の場合の3年後残高は45,946,870円
固定3年0.89%の場合の3年後残高は46,297,768円、変動より350,898円も多いのです!
毎月返済額439,128円+3年後残高350,898円=トータル790,026円
明らかに、金利の低い変動金利の方がお得です。
特に借入から間もない残高の多い時期は金利が低い方が残高の減少も早い。
尚、固定金利派からは、3年以内に変動金利が大きく上昇して、固定金利よりも高くなる可能性もあるではないか!という反論も聞こえそうなので、その点についてのお話をします。
①基本的には日本は金利が大幅に上昇し続ける可能性は低い。
短期プライムレートは基本的に0.125%刻み。よって、日銀が0.25%引上げたというのは2段階を一気に引上げました。なので、今後は0.125%単位で引上げるか否かの議論になります。私の個人的意見では3年以内なら、大きな要因がない限り、せいぜい引上げてもあと0.25%ではないかと思っています。
②日本の国債残高1,100兆円。
日本の金利が仮に1%上昇したら、単純計算でも支払い利息が年間11兆円増えます。防衛予算が大幅に増加しても5年で43兆円(1年当たり8.6兆円)。そんなに日本が金利を払える訳がない。金利が上がれば財政破綻です。
③金利が上がれば当然、経済を冷やすので、政治的圧力が掛かってくる。(毎度のことだけど・・・)
④株価の上昇は大株主の日銀で演出しているだけ。
現在の株高は本当の実力ではない。日本はそこまで景気が良い訳ではない。基本的に人口減少の国であり、また、社会保険料という「ウラの税金」が30年前の倍くらいの負担になっているので、国民の可処分所得が減少しており、GDPの個人消費が増えにくい構造となっている。消費税減税や移民政策の見直し、所得増加策など、大きな改革をしない限り、金利を上げ続けることは難しいのだ。
よって、変動金利と固定金利の差が0.25%以上であれば、金利の低い変動金利をお勧めします。
※この内容はあくまで、私の個人的意見なので、選択は自己責任で行ってください。
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